おひまでなにより。

暇すぎて、忙しい人生にしたい

これがあれば生きていける

 

3月20日 金曜日


バイトの入っていない丸1日休みの日。
前日は寝落ちしてしまったため、つけっぱなしの照明とカーテンの隙間から差し込んでくる朝日がヘンな明るさで部屋を満たしていた。


シャワーを浴びて、それからシンクに溜まった洗い物を片付ける。


今日は何をしようか。
ぼんやりした頭には「やるべきこと」がとっちらかっているけど、それらをきちんと片付けよう、という気にはなれない。


それに、体が冷えていた。
この日の東京の気温は22度と、今シーズン一番の、暑いくらいの陽気なのに、微妙に日当たりの悪い東向きのアパートの中は、まだまだ冷えた空気を閉じ込めている。


日光を浴びたい。
お昼をたべたら、新宿御苑に行くことにした。


私は丸1日家に閉じこもっているのが苦手だ。
どんなに楽しいことをしていても、どことなく気持ちが塞いで、何かをする気力がなくなっていってしまう。
でも、近所をちょっとぶらつく程度だったとしても、外の空気を吸えばアイデアが色々と浮かんでくるし、明るい未来も想像できる。
きっと、インドアな性質ではないんだろう。
だからといって、キャンプやスポーツが趣味って訳でもないし、むしろ好きなのは本を読んだり何か手作業したりすることだから、「インドア趣味のアウトドア派」といったところだろうか。


だから、新宿御苑の、芝生の広場の一角を小さく陣取っても、することといえば、本を読むこと。
レジャーシートが無いから、入り口で貰った園内地図を敷いて腰を下ろし、読みかけの本を広げる。ついでに靴も靴下も脱いだ。裸足の足を芝生にくっつけると、空からも地面からも太陽の熱が伝わってきて、とても温かい。サー、と足の血流が活発になるのが感じられる。
コロナ騒動の中だけど、たくさんの人で賑わっていた。平日の昼間は一人で来ている人もたくさんいるけど、この日は家族連れやカップルばかりだった。


本のページが進むにつれ、体も良い感じに温まっていった。
強い風が吹いたり雲が出たり、かと思えば眩しかったり。読書に最適な環境とは言えないけれど、じんわりと体も緩んでとても心地が良い。
時々本をスマホに持ち変えてダラダラネットを見たり、これから挑戦してみたいことについてぼんやり考えたり。
「何もしなくて良い日」をちゃんと正しいペースで満喫できた。


夕方4時半になると、風が少し冷たくなる。気がつけば広場の人もまばらになっていた


うっすらと青みを深めた空越しに、今日一日見向きもしなかった桜を眺めた。
はじめの記事っぽく(?)桜の写真も撮ってみる。f:id:misaki731:20200322000806j:image

 


軽くなった体で家に着き、電気をつける。ふと、自分の頭から干したばかりの布団と同じ匂いがすることに気がついて、なんだか嬉しくなった。


日の光にさえ当たっていれば、きっと私は大丈夫だ。