「生きるのが辛い」と言っても良かったんだ
芸術や表現の活動をしている人にとって、この世の中はなかなか大変なところだと思う。
好きなことだけやりたい。
好きなこと以外はやりたくない。
だけど好きなことじゃ、なかなかお金は稼げない。
普通の仕事をしていたら、「普通に」やってるだけでお金は入ってくるし、ある程度のステップアップもできる。
でも表現は「普通に」やってるだけじゃ、お金も立場も手に入らない。
だけど「やらなければならないこと」に追われている間に、どんどんと時間は過ぎていく。
自分にとって本当に大切なことができないまま過ぎていった時間の後には、後悔しか残らない。
私は長年、そんなドツボにハマってずっと鬱になっていた。
不完全燃焼な自分を抱えたまま、自分を何も表現できないまま、気が乗らない仕事にズルズルと向かうだけの日々をずっと過ごしていた。
今は少しだけ、生きるのが楽になった気もするけれど、10代、20代はずっとくすぶっていた。
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勝友美さんという人のYoutubeをよく見ている。
ジャンル的には自己啓発。
勝さんはRe.museというオーダーメイドスーツ店の女社長だ。
スラっとっした体型に、ピタッとしたスーツがバリバリに決まっている、見るからにデキル女という感じの風貌。
コネも資金もない所から20代でたった一人で会社を興して、相当な苦労もしながらも、現在は下火になっていっているオーダーメイドスーツ業界の中でも順調に売り上げを伸ばし、ミラノコレクションやパリコレクションにも出場している。
ほとばしる情熱と、男性にも負けない胆力で掴んできた成功。
そんな勝さんのYoutubeチャンネルで、「一人の女性の人生を変える」というドキュメンタリー番組が始まった。
今回その企画に参加している女性は、歌手として活動する場所を求めている保育士さん。
保育士の仕事も、成り行きで選んだだけで、特に好きでやっている訳ではない。やりたい歌手活動も中途半端になってしまっている。
「『自分はこんな活動をしている』と胸を張れることがしたい」と言っている。
色々と、自分と重なるものを感じた。
そんな彼女の話を聞いて、勝さんは「今、生きること自体が辛い状態なんだと思う」と言っていた。
てっきり「甘えている」の一言でバッサリかと思ったけれど。
そうか、生きていること自体が辛そうに見えるのか。
そうかも知れないな。
好きなことを押し殺して、好きじゃない仕事をする。
そんなの、当たり前のことで、みんながやっていることだ。
何か特別なことをしている訳でもない。
みんなと同じように普通にやっているだけ。
それなのに辛いんかった。
当たり前のことをやっているだけなんだから、「辛い」なんてことはあり得ないと思っていた。
だけど、当たり前のことだったとしても、自分が辛かったら「辛い」でいいんだ。
20代までの私も、素直に「辛い」と言えば良かったのかも知れない。
「自分は幸せだ」
「自分は普通に生活できているんだから、これでいい」
と思い込もうとしていた。
本当はその普通が、一番辛いことだったんだな。
って、今だったら受け止められる。
『VICTORY GIRL』というこちらの番組。
これから成長していく人たちと自分を重ねて、色々と勇気が貰えるのでおすすめです。
#好きなことで生きていく