おひまでなにより。

暇すぎて、忙しい人生にしたい

言えない本心を言わないまま、問題解決ができた話

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本音というのは、なかなか言えないものだ。

 

特に、それが自分の心に根深く、長い間蓄積されているものであれば。

特に、相手が身近であればあるほど。

例えば、自分の両親とか。

 

「なかなか本音を言えない」「親との関係に悩んでいる」「人間関係になんかだかモヤモヤしている」そんな悩みを持つ人に、ぜひこの記事を読んでもらえたら嬉しいです。

 

これまでの人生の選択、例えば大学受験や就職は、自分で選んだというよりも「親に了承してもらえる道」を選んできたという感覚だ。

 

「現役で受かった大学に進学したい」と伝えると「もっと上を目指せるよ。挑戦したら」と言われ、何度「浪人はしない」と伝えても同じことを返されて、そんなやり取りを何日も続けたある日、私はとうとう根負けして浪人することを選んだ。

就職先を決めた時も、だいたいそんな感じだった。

 

だから、どんなに楽しく一緒に時間を過ごしていたとしても、私にとって親とは「私の人生を支配する存在」だった。

本意ではない選択を、いくつもしてきた。

 

ひとつひとつの出来事の蓄積は、無意識に両親を「敵」と認識させる材料となっていった。

 

そして大人になっても、「自分の人生を生きて良い」と自覚できた今となっても、やっぱりその時の”恨み”(笑)をぶつけることができないでいる。

 

先週、またしても私の行った選択について両親から色々と言われる出来事があった。

でも、それは本当に親に迷惑をかけることでもあったので、自分でももう少し考える余地があったとは感じている。

 

とはいえ私の感情は、そうやすやすとは収まらない。

「また価値観を押し付けてきやがって!」

「これ以上私の人生をコントロールしようとしてくるな!」

 

心の中で陰で悪態をつき、でも本音を伝えることもできず、モヤモヤをずっと抱えたまま日々過ごしていた。

 

私は、自分の気持ちをノートに書き出すことを習慣にしている。

特に嫌なことがあった時は思いついたことを書き出してみると、モヤモヤの原因を探り当てられてとてもスッキリする。

 

でも、今回の出来事はいくら書いても気持ちが収まらなかった。

何度書いても「自分で道を選びたい」以上の本音が出て来なくて、でもそれだけじゃスッキリする要因にはならなかった。

 

本当の、一番の解決策は正直に自分の気持ちやこれまで感じてきたことを両親に話すことだと思う。

でも、そこまでする勇気が持てなかった。

きっと、話せばちゃんと聞いてくれるとは思う。

私の言うことに筋が通ってなくても、とりあえず気持ちを伝えられたらそれで良かったのだと思う。

でもそれが出来ないのは、ひとえに私が臆病であるから。

 

そこで、親に手紙を書いてみた。

本当に渡すかどうかは置いておいて、いつものノートに、語りかけるように、自分の思っていたことを吐き出してみた。

ある個所で、手が止まった。

 

「大学も行きたくなかったし、就職も望んでいなかった」

そう書いた時だ。

自分で書いたその一文に、違和感を覚えたのだ。

 

(あれ、本当にそうだったのかな?)

 

そう疑問が思い浮かんだ瞬間、それに対する答えが、心の中にぱーっと入ってきた。

 

(違う。全部私が経験したいことだったんだ。)

 

私は「こういう人間になりたい」と思うう要素のひとつに

「人としての幅広さを持っている」

というものがある。

 

とてもざっくりしたイメージだけど、自分の「やりたいこと」の世界だけを知っているのではなく「やりたくないこと」をやるという経験値を持つことで、幅広く世界を知っている人間でありたいと思っていた。

 

はっきりと自覚したのはこれが初めてだったけれど、それこそ学生の頃から、深層心理では常にそう思っていたことに気が付いた。

 

その瞬間、心がスーッとした。

雲の間から太陽が姿を現すみたいに、心の中が晴れ渡っていくような心地がした。

 

あれだけ「敵」だと思えた両親が一気に「味方」になった。

両親は私のやりたいことに反対するどころか、無自覚にではあるものの、私の「幅の広い人間になりたい」という願いに向けて協力してくれる存在だったのだ。

 

親の問題じゃなかった。

私自身の問題だった。

 

親が本当は味方であったことに気づいた私は、もはやこの問題に関して悩むという段階にはいなかった。

あとは、自分が具体的に行動を起こしていくだけだった。

 

胸の内に巣くっていた本音を打ち明けるのには、勇気がいる。

私はいまだ、それを持つことが出来ないでいる。

これを読んでくれている人の中にも、そういう人はたくさん居ると思う。

そういう意味で、「手紙を書いてみる」という方法は結構おすすめだ。

 

でも、もしかしたら「本音を言う」だけが問題解決の糸口ではないのかも知れない。

 

本音だと思っていたものの奥に、もう一段階本当の、本音が隠れているのかもしれない。

 

それを自覚してしまえば、自分の心がガラッと変われば、案外目の前の相手は関係なく思えてしまう。

 

スピリチュアルでは「目の前に起こる問題は全て、自分の心の映し出し」と言われているけれど、今回のことでそれが本当なのだと実感できた。

 

そして思った。

自分のことを知るって、一筋縄ではいかない。

でも、自分のことを知ると、同時にこの世の法則のようなものも知ることができる。

 

冒険は自分の中にある。

これもまた、真理なんだな。